海外で就職するには先ず必要なのは就労ビザである。

海外で就職するには、当然の事ながらワーキングビザ(就労ビザ)がいる。

その取得方法はいくつかあるが、例えばアメリカの場合、現地の大学に通っている留学生の身であれば、卒業と同時に取得できるBA(Bachelor of Arts)を利用するのが一般的だろう。BAとは『日本の四年制大学卒に相当する』とされる資格で、これさえあれば、卒業後、1年間は合法で働く事の可能なプラクティカル・トレーニングビザ(研修ビザ)が自動的に降りる。(ただし短期大学や専門学校では、たとえ全てのカリキュラムを終了したとしても、このビザは降りないので注意が必要だ。)

アメリカ・ビザの種類と基礎知識|Lighthouse

ビザの有効期限は一年間で、名目も『トレーニング(研修)用のビザ』であるから、この1年の間に会社に掛け合い、研修中の立場から一般就職の立場へとステップアップが必要だ。これには会社がスポンサーになることで申請出来るワーキングビザを取得するのが手っ取り早い。

人によっては、この時点でグリーンカード(永住権)の申請に乗り出す人もいるようだが、グリーンカード取得に、どのくらいの期間を要するかは、ある意味、運任せである。

わたしの周囲では抽選で当たったというラッキーな人や、1~2年で取得できたという人もいるが、5年以上待ったというケースが何件かあり、そういった取得期間の差は謎である。現地の弁護士に聞いても、明確な解答は得られなかったと記憶している。

グリーンカード専門の弁護士に大枚はたけば手続きが早くなるとか、会社の規模が大きければ早いとか、国籍がどうとか、そういう問題でもないとの事で、いつ取得出来るか分からないグリーンカードだけに頼るよりは、会社を通して、先ずはワーキングビザの申請を始めてしまうのが懸命である。

その後、改めてグリーンカードの手続きも始めておけば「ワーキングビザが失効するんで国に帰ります、さようなら」とならずに済む。

ちなみに、このワーキングビザの有効期限は三年間で、有効期限が切れると次に更新する、新たなワーキングビザの有効期限は同じく三年間、よって最初のプラクティカル・トレーニングビザの有効期限の一年間と合わせて、合計七年間は合法で就職が可能である。

二度目のワーキングビザが切れたとしても、グリーンカード、すなわち『永住権』を取得していれば、何の問題もなく、そのまま半永久的に仕事を続けることが可能なので、長くアメリカで働きたいと思ったら、ワーキングビザを取得後、グリーンカード取得へと行動を起こすことをオススメする