アメリカの就職事情は日本とは違って常に門扉が開いている。

日本のように、例えば『新社会人は4月から一斉に入社』的な習慣のないアメリカでは、就職に関し、常に門扉が開いている状態と言える。

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現地の大学を卒業するにあたり、面接のためのクラスを受講し、『面接の心得』なるものを講師からレクチャーしてもらったことがある。クラスの内容は面接までの手順レジュメ(履歴書)の書き方実際の面接ですべき事、面接後のフォローアップ等々……。

ざっとご説明すると、

①インターネット等で社員募集中という会社を探す。

②担当者を確認する。(名前だけでなく性別の確認も)

③面接の日取りを設定

④面接の前日までに必ず確認のメールなり電話を入れる。

これらはいたってオーソドックスな内容なのだが、ここで一つ重要なのが、担当者の性別の確認である。

英文の手紙などのレターヘッド等によくある『To whom it may concern』の一文、直訳すると『関係者各位様へ』となるだろうか、これだとスルーされやすく、やはりピンポイントで相手の担当者名を入れるべきというのは日本と同じ。

ただ、ここで日本と大きく異なるのは相手の性別が名前だけでは判断しにくい場合がある、ということで、これはある意味、死活問題に繋がったりもする(少し大袈裟だけど)。

以前、こんな事があった。かなり興味のあった会社が社員募集中で、担当者名も書いてあったので、早速レジュメを送ってみた。

ところが後日、担当者から怒りの電話を受け取るハメに……。

先方曰く「私はMr.ではありませんから!!」というワケで、勢いよく電話を切られてしまった。これ以降、この会社に連絡する勇気も失せてしまった。かなり興味のあった会社なだけに、理由が理由で連絡しづらくなってしまい、(やってしまった……)感が拭えず、しばらく凹んだのを覚えている。

それ以来、自分で電話し、まずは性別を確認する事を心掛けるようになった。担当者の声を聞けば、さすがに間違えることもないからだ。メアリーとかジムとか、分かりやすい名前なら必要ないのだが、人種の多い海外では、名前だけで性別を判断するのは危険である。

おそらく、相手からしても、我々日本人の名前は男女の判断がしにくいに違いなく、『様』を付ければ男も女も関係のない日本では、ある意味、盲点な失敗であった。  その他、レターヘッドやレジュメの書き方に関しては、日本のコンビニで売っている履歴書セットのような便利グッズはアメリカにはない。ビジネス書の書き方的な本やネットを参考に、自分で作成することになる。ある意味、人それぞれな履歴書になるのだが、やはり書き方には最低限のルールがあり、会社名や担当者名を入れる場所、文面の最後には『Sincerely yours』と自分のサインを忘れるなかれ等々……。まずはルールに沿ったお手製の履歴書作りが、就職への第一歩と言えよう。